残されたもの
つくづく世の中は、痛々しい
コロナが流行り始めた頃、パリ在住の辻仁成氏が語っていた
コロナの怖さは、人と人を遮断すること
キスもハグも握手も出来ない
顔を寄せて話も出来ない
人々の愛を壊すこと
近づくことで接触することで、大切な誰かの命を奪うかもしれない
あの力説を、真剣に聞いていた人、どれくらいいたんだろう
小説家なだけに、美しいこと言っちゃって、と思っていた人、いるんじゃないの?
コロナのせい とは言わないけれど
悲しいことに、このところ続いた自死のニュース
亡くなった方を悼むあまりなのか、怒りの宛先がうまく見つけられないのか
更に誰かを中傷する話がある
残されたものは、すでにこれ以上ないほど傷ついているというのに
「おまえのせいで死んだのだ」と言わんばかりの中傷
それに警鐘を鳴らす声があった
「産後うつだったのでは、と言うのは、、、、。遺されたお子さんが大きくなって「僕のせいで」と傷つくだろうことを、考えるべきだ」と
亡くなってかまわない命などない
遺された人々は、まだ生きていかなくてはならない
コロナ、ワクチンが出来ても、遺された人々の傷は消せない