うらやましい
一年ぶりに、幼なじみの三人と会った。
幼なじみと言っても、私を含め4人が全員、顔と名前が一致したのは14歳くらいだったはず。
みんな、おじさん、おばさんになった。
子どもがいるのは私だけなので、結局、当時の自分が子どもだった頃の話で、毎回わいわいやる。
楽しい(笑)
なぜか付かず離れずの職場や家の位置にいるひとりと、当然帰り道は一緒になる。
夜の地下鉄で隣り合って座る。
来年の今ごろは、娘は大学受験前なので、この集まりは欠席かも、と話していて、、、。
彼は、ご家庭の都合で、高校から独り暮らしだったし、学費のことなども苦労していたのを、私は知っているのだが
娘さん楽しそうだね、と言うから
まあ、私はあまり楽しくなかった過去ばかりで、アルバムもほとんど捨ててしまったくらいだしねと応え
だから、娘には人生楽しんでもらいたいなって思うの、まあ楽しそうに見えるし、、、それは嬉しくもあるし、ちょっと羨ましいの
と言うと
そっか、羨ましいのか、、、うん、僕は君みたいにアルバムを捨てるほどではないけど
でもさ、昔、奴らの楽しそうなのをちょっと羨ましく思ってたよ
と、小さく笑った
そして、僕も娘さんの文化祭、行ってみようかな、と言ってバイバイした。
若くて尖っていた私は昔、羨ましいなんて言えなかったし、いつも静かな語り口調の彼はなにかを羨ましく思ってる素振りはまったくなかった。
多感な頃を共に過ごした彼は、ちょっと傷のある青春時代も共有しているんだな、と改めて思ったりする。