きちんと立ちなさい
約一年前、娘は中学を卒業して、無事希望の高校に入学したのだが
卒業したばかりなのに、中学三年のクラスの仲間は、よく集まっていた。仲間のひとりのお家がカフェを経営してらして利用させていただいたり、単純に同じ沿線の高校に通うメンバーが駅で待ち合わせたり。
ある時、駅でだか、駅前のファーストフードの店でだか、集まった後、電車で移動して、繁華街に出ようとしていて、娘はそのまま皆とは一緒に降りず帰宅した。「あたし、このまま最寄り駅まで帰れるから~」と。
大人もこどもも、集団で盛り上がると、まわりは見えなくなるもの。
日頃テンションの低い娘も、それなりに楽しかったらしいのだが。
皆が降りてしまい、空いた車両で、娘が座った時
知らないおじさんが
「君はまっすぐ育ったんだねぇ」と言ったのだそうだ。
理由は、、、。
途中下車しなかった からではない。
車両内で、わいわいしていた時、友達の制服の裾や、鞄が、おじさん達乗客に当たらないように、ちょっと引いたり、押さえたり、娘は黙って繰り返した。
それを見ていて、誉めてくれたのだと言う。
今は、電車やバスで小学校に通うこどもも珍しくない。マナーのなっていないこどもに大人はムッとくるわけだが、一方で、ランドセルが当たって痛いと学校に苦情を入れる大人もいる。この苦情は、学校がランドセルをリュックにモデルチェンジする理由のひとつだ。
電車はあなたの電車ではありません、みんなの電車です。
小学校に通う娘付き添って、何度も言った。
きちんと立ちなさい。娘にそういうと、満員電車の中で、小さくて低い位置にある娘のリュックに、自分の高級バッグを乗せるようにしていたご婦人はバッグを抱えて後ろを向いた。娘の隣にいる私が、まさか母親だと思わなかったのだろう。
(高齢出産だもーん(・ω・)ノ)
娘だけでなく、わいわいしていた友達も、新入生でちょっと油断しただけで、まっすぐ育ってる(はず)
そして、ちょっとした気遣いは、必ず誰かが見ている。
あのご婦人が、私のようなキツい母親と一緒ではないこどもの鞄に、自分の高級バッグを乗せたら、それもきっと誰かが見てる(笑)
きちんと立ちなさいよ。