足りないもの
母ひとり、子ひとり。
思えば、娘が小さい時は、足りないものばかりだった。
まず、父親がいない。
その父親とのことで、私は実家から勘当された状態だから祖父母もいない。
兄弟姉妹がいない。
仕事がない。
お金が無い。
時間がない。
手が足りない。
娘の幼稚園手続きや、小学校受験などに関して、子供を同伴しないように、と言われることがあった。
小さな子供をひとりで留守番させるわけにいかず、友人に頼んだり、時間預かりの保育園に連れて行ったりした。
肉親に頼めない情けなさ、バカ高い料金。
手が足りないのに、埋め合わせる金銭的な余裕もないわけで、なにかあるたびに、自分を責めた。
パパが忙しいから母子家庭みたいなもんよ~という誰かの言葉に、拳を握りしめた。
だって、、、
母子家庭のようなもの と 母子家庭 は、似ているようで、まったく違う。
do not と cannot みたいに。
職場改善とか、保育園を増やすとか、母子手当とか、いろいろ言われているけど、職場改善より人間改善した方が話が早いし、保育園増やすだけじゃ意味ないし、母子手当父子手当なんて焼石に水だ。
まあ、ここで、私がプンプンしたところで、明日、世界が変わるわけではない。
足りないものばかりの我が家を
友人、知人が補ってくれた
娘は、高校生になった
足りないものの数より、悔しさや悲しさより、
きっと、愛と感謝は、ここに、いっぱいある