ロマンス街道の先に
早いもので、娘の高校入試から、一年近くすぎた。
試験は1月6日だった。
1日おいて、8日の夕方に発表だ。
試験のあと、迎えに行って、家に着いてから
恐る恐る聞いてみた。
どう?
たぶん、いけたと思う。大きなミスはしていない。
お母さんは?
無いはずのミサに与れた。
え?
シスター達の新年ミサで、新しい司教のミサだったのよ
なんか、、、、いけた気がする
と、娘と頷きあった。
発表日
合格した場合、本人が手続きをする。
親であろうと、代理は基本的に許されない。
門を入ると、じゃ、、、と、娘はひとりでロマンス街道に消えた。
ロマンス街道というのは、門を入ると左手にある銀杏並木の道だ。このロマンス街道を突き当たり右に折れると、合格発表の掲示板がある。更に、その先に、講堂があるのだが、合格者はそこで、合格手続きをする。
つまり、番号が無ければ、ロマンス街道をただちに戻るしかない。
もう、ロマンス街道は、冬の夕暮れから夜の暗さになっていた。
代理は許されないと聞いていたので、私はロマンス街道へ進まずにいると、保護者が次々進んでいく。あれ?友人ママにLINEして確かめると、掲示板までは進んでいいって~
ロマンス街道、、、長く感じる、、、。
掲示板の前で、抱き合う子もいる。
娘、どこー?!
ビー ビー
携帯をみると、「受かった」とだけ、娘からLINEがきていた。
改めて、娘の番号を掲示板に探し、私はロマンス街道を戻った。帰りのロマンス街道は短かった(笑)
掲示板前の植え込みに、ひとりの男子がいたが、私が娘の番号があるのを確かめて、振りかえると男子はもういなかった。
合格確実とママから聞いていたし、にこやかにしていたので、もう手続きが済み、友達を待っているのかと思っていたが、後日、合格者のみが登校する日、彼の姿は無かった。
本当に入試はわからない。
ロマンス街道は、今、銀杏(ぎんなん)がすごいことになっていて、ロマンスの欠片もないけど。
年が明けると、また、あのドラマのような夕暮れの日がすぐにやってくる。