手帳の作法
もう、書店や文具店には、来年の手帳や日記帳がところ狭しと並んでいる。
私は、娘が幼稚園に入る前あたりから、手帳を使い始めた。
若い頃、ビジネス手帳なるものが流行って、私も皮のブランド物を使ったりしたけど。
安くて薄くて、荷物にならない手帳。しかも、生協で、牛乳などの宅配を頼んでいたカタログにあったやつ!
ただ、これは、なかなかのスグレモノだったので、しばらく毎年、同じものを注文して使った。
日曜始まりのカレンダーであること。
日曜は、ミサに行く。そして、新しい1週間を過ごす。だから、月曜始まりのカレンダーだと、予定を間違えて記入してしまうので、重要な条件だったのだが、ある年から、その手帳が月曜始まりに変更された。
慣れれば平気かと思って一度は使ってみたものの、お金と時間のムダだった( TДT)
そこで、使い始めたのが、カトリック手帳。サイズも構成もよく似ていて、使いやすい。日曜始まりだし、カトリックの祝日なども印刷されていて、、、最高ヽ(・∀・)ノ
なんで、気がつかなかったんだ?(笑)
さて、手帳を買って、一番初めにすることなのだが
自分の名前や緊急連絡先なども記入するけれど、それより先に
手帳を開いて、一頁目
○○(娘の名前)は、お母さんの宝物
と、書く。
必ず、絶対、書く。
これが、新しい手帳を使い始める作法。
娘は、私のたったひとつの財産だ。
わざわざ書かなくてもわかっていることなのだが、書く。
これは、自分へのエールのようなもの。
疲れて動けない時、経済的に行き詰まった時、悲しくて涙が止まらない時、怒りをどこにもぶつけられない時、、、、もう私はダメだ、と思った時、、、
でも、私には娘がいて、この宝物の為なら、この娘の為なら、あと少しだけ頑張れる、あと一歩進める
だから、、、、毎年書いた。
自宅で何かの連絡に使って、電話の横に手帳を置きっぱなしにしてしまったことがある。
たまたま、あ、お母さんの手帳だ~と、娘が開いてしまった。
しまった!と思った時は遅くて
娘には、手帳の言葉は、なかなか衝撃だったらしい。うん、なんか、固まっていた、娘。手帳を持ったまま、電話の前で、固まっていた。
私が、何かで娘を怒っているときに
「お母さんは、あなたがキライで怒ってるんじゃないのよ!」と言ったら
娘が「知ってる。お母さんの手帳に書いてある。あたし、たからものだもん」と泣きながら応えた。
手帳の言葉が、娘に変な負荷をかけてなければいいなと思っていたけど、もしかしたら少しは支えになっていたのだとしたら、申し訳なく、ありがたく、、、
私は、来年の手帳にも、また、同じ言葉を書いた。
手帳は、10冊以上になり、いつのまにか、私の宝物は、随分、大きくなった。