班長は、やらない
娘の小学校では、六年間で、林間学校に7回行く。そのうち、4回は、四学年が一緒に三泊する。
現地でのカリキュラムは、各学年の体力なども考慮されて別々だが、夜の集会などは一緒だから、高学年が大活躍だ。
高学年は、とにかく憧れの的なのだ。
さて、日頃の縦割り(1年から6年まで男女混合)班、低学年の憧れは、六年生の班長さんである。六年生は、みんな、班長になりたが、、
え?やらない?(。-∀-)
娘は、班長はいやだ、という。
林間学校でも、ずーっとお風呂係。時間をみたり、桶をならべたり、、、。
親としても、まあ、いいんじゃない?好きな係をしたらいいよ、と思っていた。
だけど、担任は、娘の積極性を引き出そうとしてくださり、班長を決める時期には、下校の校門まで追いかけてきて、「班長やってみない?絶対できるよ!」と声をかけてくださったという。
「私はやらない」
娘は、首を縦にふらなかった。
六年生は各自、班旗を作る。通常、縦割りの班で行動するとき、班長の作った班旗を掲げる。「私はやらない」娘は、副班長で、班長不在や、なにか急な時しか自分の旗を掲げる時はない。出番がないかもしれない班旗。
一所懸命デザインして、班のメンバーの名前をいれ、時間をかけてアップリケをした旗。
出番がないのは、せつないだろうと、親としても思っていた。
卒業間近、班の解散で集まる時、班旗に、班のメンバーは寄せ書きをしてくれる。
「あっ、、、」副班長の班旗にある寄せ書きをみて、娘が涙をこぼした。
「困った時、いつも、何も言わなくても、すぐに気がついて、副班長は必ず助けてくれた。だから、私も副班長みたいな六年生になる。」
先生も、それを見て、「後輩は、ちゃんと先輩をみていますね。」と、驚いていた。
積極的な生徒が多い、というか、そんな校風の学校で、娘は自分らしさを見つけていった。
そして、小さな後輩の言葉は、中学での娘の背中を、少なからず押してくれたことになる。
自分がやりたいこと、やるべきことは、何なのか、、、。
中学での部活、お友達と誘いあって迷う子も多い中、娘が真っ直ぐに向かったのは合唱部。
その年、ただひとりの新入部員となった。