乗り物 その1
娘、乗り物酔いをする。
特に車。バスも。
船に乗ったことはないけど、船もだめだろうなあ。
私も、小さい頃は、だめだったし、今も自信はない。
そして、運転免許もない。
考えてみると、私、子供の頃、実家では、旅行や遠出は、ほとんどなくて、遊園地の楽しみも知らなかったし、当然、地理感覚も悪かった。乗り物が楽しいとか乗ってみたい、どこかにいきたい、という発想はなかった。
就職して、行動範囲は広がったけど、新幹線、まさしてや飛行機のチケットの取り方すら、わからない状態が続いたのだった。恥ずかしくて、黙ってたけど。
いろいろあって、独り暮らしが始まった頃。つまり、親やパートナーの締め付けから解放された頃。
ようやく、出張で、ひとりで新幹線に乗った。
もう30過ぎてたのに、なんだか、すごく大人になった気がして、ある年末に、来年は、たくさん新幹線に乗りたい!と思った。
翌年から、出張にでると、帰りに京都にでかけるようになった。
たまたま、乗ったタクシーの運転手のおじちゃんがとても親切ですっかり仲良くなり、何度かあらかじめ予約を入れて、かなりの名所をまわった。いろいろなお店も教えてもらった。(○○年後、娘を連れて京都に行ったが、無駄なく名所をまわるので、修学旅行より濃い旅だと娘には言われた。)
学生時代の友人がいる九州には、飛行機でも行った。
飛行機の離陸する際の、ふわっとした感覚が気持ち悪いという人もいるが、私は、実は乗り物で一番好きなのが飛行機である。
人生で初めて乗った飛行機は、南回りのアテネ行きだったのだが、その時の感動(笑)が甦った。
ああ、来年は、飛行機にいっぱい乗りたいな!と思ったけど、数年後、韓国に仕事とプライベートで行っただけだった。
つづく