イヴの出来事
いま、ある公共機関で、私は非常勤として働いているけれど。
好きな仕事ではあるものの、プロパーでは無いし、ずっと一生続けられるものでもない。
生活や娘の年齢を考えて、今の仕事にたどり着いた。
考えてみると、自分の好きなことと言えば、歌、針仕事、文章。
特別出来がいいわけでなく、好きなだけ。
でも、今年の12月、針仕事で、お世話になっている先生から、「手伝って」と言われ、少しお仕事させていただいた。
更に、追加のお手伝いで、24日は、アトリエにいた。
たぶん、先生の生徒さんには、もっと腕のいい方々がいただろうに、私に賃金を払おうと気を遣って声をかけてくださったのだろうけど。
これが、一年中だったら、さぞかし大変だろうが、臨時雇の私は、勉強になったし、楽しかった。なんか、スタッフになった気分で。
その後、自分が関わったキットを分けていただいて、家でチクチク。
ひとつは、先生ご指定の糸を使い、ひとつは、自分の糸の在庫から色を選んでみた。
色をあれこれ選びながら、こういう余裕が無かったなぁと、反省した。
じっくりと布の織り目を見て、綺麗に採寸し、きっちり切って、縫う。
その縫い目も、縫いあわせがずれないように、ピッタリ合わせる。
適当にやると、仕上げに大きな差が出る。
刺繍も、あと一目刺すか刺さないかの差が、出来上がりを変える。
なにより、その時間を落ち着いて持つことが、心を満たすし、出来上がりの満足感が違う。
いつもと違うイヴは、忘れていた「余裕を持つ」ということを、思い出させてくれた。
先生、ありがとう。