小学校受験5
ようやく、一校の受験の切符を手に入れた我が家。
受験は、もうコートを着るような冷たい風の吹く季節だ。それなのに、半袖のブラウスにベスト、短いソックス、女の子も動きやすいキュロットがよいという。この寒いのに?
何故かというと、半袖は元気に見えるから。ハイソックスはずり落ちるとだらしなく見えるから。スカートで下着が見えるとよくないから。そしてベストはブラウスが着崩れてもお腹が見えないから。
なるほど。
デパートに行ったら、この寒いのに、半袖もキュロットもベストも売っていたけど、もしかしたら一回しか着ないブラウス、キュロット、ベストがそれぞれ10000円はする。
どうする?あたし!
そうだ!あの制服のお姉さんのお母さまに聞いてみよう!
すると、キュロットは貸してくれるという。お姉さんが合格した縁起のいいキュロットだ。ブラウスは購入。そして、ベストは紺色の毛糸を買ってきて、一晩で編んだ。
かーさんは~ 夜なべ~をして~
もう、必死!
この夜なべベストには、受験が終わったあとでビックリの話がついてくる。
既製品より、手編みのベストはポイントが高いというのだ。理由は「ご家庭で手間をかけて育てているのがわかるから」
なにそれ。夜なべベストは、ポイントベストだったのか?!
写真もおすすめの写真館に行った。
これもすごかった。左右の肩のバランスを修正、後れ毛は消す、更に「受験では、目力があるといいから」と、黒目を濃くしてくれたのだ。
実は、この頃から、私立の小学校から合格をいただいたり、国立のくじの結果が出たり、親の行動が、複雑になってきていた。
まるで、お受験ドラマのように、足をひっぱったり、悪口を言ったり、、、、。
急に受験体制に入った我が家には、人の悪口にかまってる暇さえない。
相変わらず、娘は自分が「受験生」だなんて思っていない。お母さんが申し込んでくれて、席があいていれば行けると思っているし、幼稚園の皆勤賞を夢みている状態。
元気に楽しい気分にして娘を試験会場に連れていく方法を、風呂に浸かりながら私は考えていた。